10,11月の読了本振り返り 2023.10,11

2023年内に間一髪間に合った感想文です。 書かねばと思いつつもつい本を読むことを優先してしまった結果、あと一週間程で2023年が終わるところまで来てしまいました。

最初は10月に読んだ本からご紹介します。

  1. 『 学びのきほん ブッダが教える愉快な生き方 』 藤田一照 著
  2. 『 准教授高槻彰良の推察 EX2 』 澤村御影 著
  3. 『 きまぐれな夜食カフェ マカン・マランみたび 』 古内一絵 著
  4. 『 短歌ください 双子でも片方は泣く夜もある篇 』 穂村弘 著
  5. 『サスペンス作家が人をうまく殺すには 』 エル・コシマノ 著
  6. 『 ナイフをひねれば 』 アンソニー・ホロヴィッツ 著
  7. 『 3分で読める!コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語 』 アンソロジー
  8. 『 彼女たちの20代 』 山口路子 著
  9. 『 喫茶チェーン観察帖 』 飯塚めり 著
  10. 『 コーヒーと小説 』 庄野雄治 編
  11. 『 ひとり出版入門 』宮後優子 著
  12. 『 もの言えぬ証人 』 アガサ・クリスティー 著

10月は計12冊を読了しました!

その中でも面白かった本、気に入った本をいくつか紹介します。

まずは、 アンソニー・ホロヴィッツの新刊『 ナイフをひねれば 』です。

発売してから、ずっと早く読みたい読みたいと言っていましたが、正直買ってから読むまでよりも読み始めてから読み終わるまでの方が短かったです。

それくらい夢中で読んでしまいました。

ホロヴィッツとホーソーンのバディは王道の信頼関係を行くのではなく、ちょっと歪な関係。

それはホーソーンの秘密主義に因るところが大きいのですが、まあ秘密を持った人間ってどこか魅力的ですよね。

全てを素直にオープンな性格よりも、プライベートってどんな感じ? と興味をそそられる方が余計に知りたくなってしまうのが人間の性と言うか。

それはホロヴィッツだけではなくて、彼の視点を通してホーソーンという人物を感じ取っている読者もまた同じ気持ちになってしまうものです。

第4弾まできたホーソーンシリーズですが、未だにホーソーンの過去は謎が多い。

そしてまたしてもホロヴィッツは散々な目にあってしまいます。

人生の目標であるロンドンでの戯曲の公演を終えた明くる日に逮捕されてしまうという、振り幅大の絶頂から急降下していくホロヴィッツの不憫さ。さらに担当警部が( 一方的な)因縁相手。

あまりにも可哀想に見えてくるホロヴィッツの頼みの綱はやっぱりホーソーンしかいない! となるのは決まってますよね。

前作でホロヴィッツとの出版契約はもうおしまいかと思いきや、ホーソーンの方はまだ本を書いてもらう気満々ですので、読者もまだまだ2人の活躍を堪能出来そうです。

しかし、タイトルについて作中で何回か( 著者としての )ホロヴィッツがその苦労を語っていますが、今回も秀逸だなと感嘆してしまいます。 ( もちろん訳者の山田蘭さんにも )

次作のタイトルは果たして何になるのか?

そして、ホロヴィッツは今作の重大危機 殺人容疑での逮捕以上に災難な目に遭わずにすむのか? 楽しみですね。

『 きまぐれな夜食カフェ マカン・マランみたび』は前々作、前作を読んだ後ずっと積んでいた本の1冊です。

なぜ積んでいたのか、理由を問われると明確には答えられないのですが、私にとってもマカン・マランはいつ帰っても許される場所のような気がしていて。

最終巻があるということは、終わりがあると分かってしまっているということなので、終わらせたくなかったと思ってました。

3巻目になると、マカンマランにいるお針子さんと常連さんと一緒になって自分もシャールさんのもとに集っている気になってきます。

そういうお店の暖かさが伝わってくる文章を書かれる古内一絵さんは人の繋がりの温もりをよくご存知なんだなと勝手ながら感じています。

『 彼女たちの20代 』を知ったのはインスタグラムでした。他の方が投稿されているのを見て内容に興味を持ち、最寄りの本屋さんにて無事購入。

世界的な功績を持つ著名な女性たちは20代をどう過ごしていたのか、その生き方から自分の人生を考えることができます。

自分の中にあるエネルギーをどこにぶつけるか、コンプレックスとどう向き合うか、他人との関係性、自分の個性、どうにもできない周りの環境。

人生は誰1人同じでは無い。その中で自分が何を選択していくのか、何を大事にしていくのかが問われ続けているんだなと思いました。

うまくいかない時だってある。乗り越えられない時だってある。その時々をどう生きるかでその人が作られていくということを、20代という誰しも通る若さで知っておいた方がいい。

彼女たちの20代からは、気づきや学びがたくさん詰まっていました。

さて、次は11月に読んだ本をご紹介します。

  1. 『 真っ白な嘘 』 フレドリック・ブラウン著
  2. 『 時をかけるゆとり 』 朝井リョウ著
  3. 『 風と共にゆとりぬ 』朝井リョウ著
  4. 『 そして誰もゆとらなくなった 』朝井リョウ著
  5. 『 むかしむかしあるところに、死体がありました 』 青柳碧人著
  6. 『 本の読み方 スロー・リーディングの実践 』 平野啓一郎著
  7. 『 最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常 』 二宮敦人著

以上の計7冊でした。

朝井リョウさんのゆとり三部作をひと月で読み切ってしまいました。

朝井リョウさん、小説まだ読んだことなかったのですが、作者さんのインパクトが強すぎて全く関係ないお話でも脳裏にチラつきそうです。

最初から最後まで、ずっとお腹とお尻の心配してました。

まあ私も弱い方なので絶妙に分からなくもないっていうところがまたよくそこまでエッセイ書けたな〜! ってなるポイントです。

大変面白く、大変無意味な読書時間を過ごしました。( 褒めてます )

読みやすいけれど、初心者や他人に薦めるのはなんとなく憚られます。理由は読んでみると分かります。

青柳碧人さんの『 むかしむかしあるところに、死体がありました 』は図書館で借りてきました。

最近ネトフリで『 赤ずきん、旅の途中で死体と出会う 』の映画を見て、原作は読んでいたのですが他シリーズも読みたくなりました。

『 赤ずきん〜 』は童話がメインストーリーでしたが、こちらは日本昔ばなしがメインストーリーになっています。

誰もが子ども時代に見聞きしたことのあるお話だからこそ、ダークユーモアというか、ブラックな一面がより鮮やかに浮き彫りにされていきますね。

私が気に入ったのは、つるの倒叙返し でした。何回か読み返して、深掘りするのが楽しかったです。してやられたと印象の強い一作でした。

ここまで読んでくださった方、長々とお付き合い頂きありがとうございました。

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冬至の夜、柚子湯に浸かった ミズミ 。

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